【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「グレイスがそう言うなら」とメンズのお洋服屋さんをいくつか覗いていく。
普段は決まったお店でばかり買っているらしいので、思いつくままに歩きながら見て回るのはイグニスにとっても新鮮そう。
イグニスが足を止めるのは大体どこも品の良さそうな雰囲気のお店だった。アパレルの季節が変わるのは早く、落ち着いた色の秋冬アイテムはどれもノーブルな顔立ちのイグニスによく似合いそう。
その中でいくつか商品を手に取り、「これとこれだったら、どっちが好き?」と聞いてみたり、時々試着をしてみてもらったり。
大好きな人が、どんなものを好きなのかを知れるのはすっごく楽しい。
それに、整った顔立ちに、背が高く見事な逆三角形体型のスタイルのイグニスは何を着てもモデルのように本当によく似合う。
レザージャケットのような生地そのものにハリや厚みのあるものや、襟が大きかったり、丈の長いコートを着せても全く服に負けない鍛え上げられたメリハリのある身体の存在感に惚れ惚れする。
可愛らしい女性に対して『着せ替え人形にしたい』なんて表現があるけれど、イグニスは男性版のまさにそれ、最早目の保養。
ただ…どれを履いてもらっても、大体袖やパンツの丈が短めだった。
「今年のトレンドはアンクル丈なのかな?」と話していたところに店員さんが「お客様の足が長過ぎて丈が足りてないみたいですね…」と少し困った顔をして教えてくれた。
スタイルが良すぎるのもこんな弊害があるなんて、と思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまった。