【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
それから少しして、私は高校生活最初の夏休みを迎えた。
一般的な学生カップルの夏休みともなれば、普段以上に沢山二人の時間やプール、夏祭り等のイベントを過ごせたりするのだろうけど、生憎イグニスは昨年度高校を卒業して立派な警護隊の一員だし、私は私でいわゆる普通の高校生でもないからなかなかそういう訳にもいかなかった。
しかも警護隊一年目のこの夏は現場や現地を知るために、夜の中心街で深夜出歩いてる未成年者を補導したり、治安の悪い場所なんかを見回るのが通例らしい。
イグニスは『ノクトやグレイスの安全を守る為にも、危険な場所を実際に知る良い機会だ』なんて言ってたけど、正直心配。
事件や事故に巻き込まれたりしないといいけど。
そんな事情もあって、やや昼夜逆転気味のイグニスと過ごせる機会は意外と少なかった。
…たまに都合が合った時には、何度かこの間のような時間を寝室で過ごしたりもした、けど…!
大体は黙々と夏休みの課題をこなしたり、ピアノを弾いてみたり、お城で訓練や家庭教師の話を聞いたりして過ごしていた。
そんな私を見かねて、今日はヴァニラがお買い物に連れ出してくれた。イグニスとのデートはもちろん楽しいけど、女の子同士のお出掛けもやっぱり楽しい!
ついついあれもこれもと買いすぎちゃって、二人して両手に提げた紙袋を私の部屋のリビングにガサガサと降ろした。
「はーっ外暑かったね。ヴァニラ、運転ありがとう、今お茶出すよ」
「ありがとー!」