第24章 カレシとカノジョ

これはきちんと話をしなければ。

「待ってくれグレイス。それは全くの誤解だ」

一旦グレイスの身体から手を離し、真っ直ぐ顔を見るも、当のグレイスは不貞腐れたようにそっぽを向いたままだった。

「別にいいよ、本当のことだし。気を遣わなくても」

「いや本当に違うんだ。頼む、聞いてくれ」

懇願するように必死に声をかけたところ、ジトリとした感じではあるが視線だけはこちらに返してくれたことに感謝する。

「さっきのは溜め息なんかじゃない、グレイスの身体を初めて見て、触れられたことが嬉し過ぎて興奮に飲まれそうな自分を落ち着かせようと深呼吸しただけなんだ」

「そんなの…大して触る膨らみもない身体でそんな風になる訳ないじゃん」

オレがグレイスに触れて興奮していないだと？　そんな訳があるか！
こんな話をしている間にも、下半身はみっともなく欲を晒しているというのに…
それにしても随分気にして疑ってくるな…勘違いからとは言え気分を害してしまったことが悔やまれる。
こうなったら…

「本当に嘘でも気遣いでもないんだ。
なぁグレイス、男が性的に興奮すると性器が硬くなるのは知っているか？」

「え。あー…うん、それは保健体育で聞いた記憶ある」

「そうか。なら服越しで構わない、オレのに触れてみてくれないか。そうしたらオレがグレイスに興奮してるのが嘘じゃないってわかるだろう？」

「…はっ！？　さ、さわっ…！？」

「そうだ。もちろんグレイスが嫌でなければ、だが」