第4章 新たな門出
ダンデはホップの頭に手を置き、宥めるように話しかけた。
「お前も、ウールーも十分反省しているのはわかっている。だが、次遊ぶときは気をつける事。ここは人は少ないが、こうしてたまにやってくるトレーナもーいる。彼女が起きたら、ちゃんと謝る事」
「・・・うん、わかったんだぞ」
「ほら、お前がそんな顔してると、彼女のゲンガーが心配している」
まだ落ち込み気味のホップの頭に置かれた手を、ダンデはクシャクシャと撫でつけた。ダンデに言われた通りホップはゲンガーを見ると、目が合えばゲンガーはフワリと浮いて、ダンデがしたように、ホップの頭を撫で回した。
「フフ、兄貴の真似してる」
「ゲン、ゲンガー!」
「元気を出せって言ってくれるんじゃないか?」
「かもな!ありがとな、ゲンガー!」
「ゲーン」
ゲンガーはホップの笑顔を見て、撫で回していた頭をかき混ぜるように撫で始め、次第にグチャグチャになっていく様が面白く笑い出した。
「うわっ!もういいんだぞ!」
さすがのホップも勘弁してくれと逃げるようにダンデの部屋を小走りで逃げると、ゲンガーはその後を追いかけた。ドタバタと部屋が騒がしくなり、ダンデも困ったようにホップとゲンガーを見たが、どこか楽しそうにも見えて、止めることはしなかった。
流石に部屋も少し騒がしくなり、の眉間に少しシワがより始めた。そしてゆっくりと音が耳に流れ始め、は目を薄ら開けた。
見慣れない天井が視界に入り、そして騒がしい音が鮮明に聞こえだし、音のする方へ顔をむけた。
すると、視界には色んなロゴが入った布が目に飛び込んできて、全くなんの情報も得られなかった。
(・・・なに、このマーク・・・あれ、あの紫の長い髪の毛・・・マント、ロゴ・・・)
こんなダサいマントを着ているのは、このガラル地方にはひとりしかいない。と、はすぐに誰かわかった。
「ダン、デ・・・さん?」
ポソリと、小さな声でその名前を言った。
すると、名前を呼ばれたダンデは振り返り、金色の瞳と目が合うと、その瞳は更に爛々と輝きだした。
「おはよう、」