第4章 新たな門出
ゲンガーの背中にをおぶさるように乗せると、フワフワ浮きながら少年の後に続いた。
「俺の家はあそこだ!そこまで運べるか?」
「ゲーンガ!」
ゲンガーは任せろといったようにポンっとお腹をひと叩きしてみせた。
そして家についた少年とウールー、そしてゲンガーと。
少年は恐々と家のドアを開け、「少し待っててくれ」と言って中に入ってたった。
すると、中からドタバタ慌てたような足音が玄関に向かってきて、家から出てきたのは少年の母親と思われる女性が現れ、ゲンガーに背負われているを見て、ゲンガーに中に入るように促足した。
・・・
二階の寝室にを寝かせ、頭の下には氷枕がおかれた。
その側でゲンガーが主の様子を伺っており、少年の母親は申し訳なさそうに「ごめんね、あなたのトレーナーさんに痛い思いさせちゃって」と誤った。
ゲンガーは先ほど少年にしてみせたサムズアップをして、「ゲン」と一言鳴いて応えた。
それから少年とウールーはこっぴどく母親から怒られ、泣きながら何度も謝った。
「私に謝っても仕方ないでしょ。トレーナーさんが起きたら、しっかり謝りなさい」
「・・・うん」
すっかり落ち込んで、目を真っ赤に泣き腫らして反省している少年の様子をみた母親は、一度息を吐き、そしてギュッと少年を抱きしめて頭を撫でた。
「・・・ホップ、もう怒ってないから顔を洗ってらっしゃい。あなたがそんなじゃ、トレーナーさんビックリしちゃうわ」
「・・・わかったぞ」
ホップと呼ばれた少年は、母親にはにかみ、そして洗面所に向かった。
母親に言われた通り、顔を水で洗い、鏡に写った自分の情けない顔を見て、パシパシっと顔を両手で叩いた。
「しっかりしろ、俺。ちゃんと面倒見るんだぞ」
そう自分に言い聞かせ、ホップはタオルで顔を拭き、が眠っている寝室に向かった。