第4章 新たな門出
ソニアの子供時代を何となく想像できたは、昔一緒に旅をした幼馴染二人を思い出した。二人は全くの方向音痴ではなかったが、二人の間に挟まれて苦労した。特にカッコつけやがりの方に。
そしてソニアとの話は順調に進み、2ヶ月後に取りに来ることになった。
「何かあれば、こちらのメールアドレスに送ってください。返信は遅れますが、寄ったポケモンセンターで時々確認しますので」
「ガラルだとワイルドエリアでもどこでも携帯が通じますよ?」
ソニアはが携帯を持っていないと思っておらず、そして海外のトレーナーなので、知らないと思って助言した。そしては少し言いにくそうにしながら、頭をかきながら言った。
「・・・私、携帯持ってなくて・・・」
「え・・・め、珍しいですね」
「よく言われます(絶対変わってるって思われたわ、ソニアとは仲良くしたかったのにな〜(涙))」
はハハハと笑って誤魔化そうとしたが、心は少し泣いたのだった。
・・・
研究所を後にしたは、予定していた1番道路に向かった。
人気が少ないが、その分野生のポケモンたちをちらほら道の橋や草むらで見え隠れしているのが見えた。
(ココガラ可愛いなー。最終進化が男前のアーマーガアになるのほんとすこ。ゲットしちゃおうかな〜)
なんて考えながら緩やかな坂を上がった先の左手に、大きな家が見えてきた。そこはこのガラルでは有名なチャンピオンの実家であり、弟のホップとその家族が住んでいる。
(確かダンデがチャンピオンになってからずっと帰ってなくて、ホップが寂しい思いしてるんだよね・・・忙しくても帰ってあげなよチャンピオン・・・私も人のこと言えないけどさ!)
ふとは実家の両親を思い出した。
二人はが旅をすることを快く許し、時々ポケモンセンターの通信でやりとりはしていた。
しかし後で父がが旅立った後、母が少し泣いていたと聞いた時は驚かされた。が、今は母も理解しており、時々が送ってくるお土産や写真を嬉しそうにしていると父からこっそり聞いていた。
(あーあ、なんかお父さんとお母さんに会いたくなってきたな)
午後の少し涼しい風が、にフワッと寂しげに吹いた。