第15章 真夜中の開幕劇
----バウスタジアム前に、殆ど黒づくめの格好をしている人物が立っていた。一人は背が高く細身であり、不機嫌そうにも見える。もう一人は目元を隠す仮面をつけ、不気味に微笑んでいる。
「まさか追手があのチャンピオンたちではなく、ジムリーダーたちを寄越すとハ」
インゴとの前に現れたのは、パーティ会場からそのまま送られてきた四人が、半信半疑で二人を見据えていた。
「さんが危ない目にあっていると聞いて来ましたが…この人たちなんでしょうか?」
と、カブが言った。
「どうでしょう…でも、怪しいのは間違いないです」
「良い感じはせんのじゃ」
モンスターボールに手を掛けるルリナと、真剣な顔のヤロー。
「向こうはやる気みたいよ。とっととやっつけて、情報を吐かせましょう」
と、不敵に笑ってみせるメロン。
「どうしましょう、インゴさん。四人も来てくれましたよ!ダブルスでやります?それとも半分こしますか?なんなら私、トリプルでもいいですよ!」
「どれも面白そうですガ、どうせ貴方のことです、全員とバトルがしたいんじゃないんですカ?」
「あ、バレてました?」
「ワタクシも準備運動が必要ですからネ…半分こしましょうカ」
「え〜仕方ないですねぇ」
とインゴが前に進むと、四人のジムリーダーたちも前に詰めるように歩き出した。バトルで必要な分のスペースまで来ると、足を止め、お互いを見据えあった。
「貴方がを狙っている男なの?」
「狙ってなどいませんヨ。取り戻しに来たと言ってほしいですネ」
ルリナが警戒するように男を睨みつけた。
「あら、近くで見ると良い男じゃない」
「メロンさん、今はそんな時場合じゃないでしょう」
「フフフ、ごめんなさい…でも心が痛んじゃうわ、こんな顔のいい男…凍らせて、逃げられないようにしなくちゃいけないなんて」
カブとメロンはボールを構えると、インゴはフッと笑い、ボールを二つ構えた。
「あーあ、一番強いメロンさん取られちゃったなぁ…」
「貴方の相手は私たちよ!」
の前にはルリナとヤローが立ち塞がった。
「君にも聞きたいことがあるんだな…大人しくしたがってもらえんか?」
「あは♡じゃあ私を倒してから聞いてください」