第8章 ジム巡り②
(”さん”呼び///?!しかもお前って言われた…ああああああ///)
いきなり自分の名前を呼ばれたはキュンとした。ネズはあと数歩歩けば目の前に来るというところで足を止めた。ライブの時は少し遠くでぼんやりしていた顔も、気怠げに自分を見るメイクされた目もハッキリ見える。
(うっ、近くで見るとネズさんめちゃくちゃかっこいい!ゲームの時にみた時より少し髪が短い様に見えるけど…あああてか話しかけられたんだ!え、え、えええええなんて話しかけたらいいの?!)
ゴクリと唾を飲み込んで、どう応えようかとジッとネズを見つめた。
「今年のチャレンジャーは豊作じゃないと聞いてたんですが、お前みたいな飛び抜けてるやつがいてくれてよかったですよ。毎年メロンさんがほとんど倒すので、ここにこれるチャレンジャーは少ない」
「そ、それは…どうも?(褒められたんだよね?)」
「……でもお前が来るのを待ってましたよ、このスタジアムはダイマックスが使えないジムスタジアム…だが、お前はまだどの試合でもダイマックスを使っていない、そもそもダイマックスバンドを持っていない様ですが」
「…あのぅ、ネズさん…もしかして…このままバトルする感じですか?」
意を決してはネズに問いかけた。
正直は今バトルをしたいという気分ではなかった。朝一番からキクルスタウンを出発し、9番道路を超え、ほんの数時間前にスパイクタウンに着いたばかりだった。
スパイクタウンにつけば、疲れているポケモンをポケモンセンターに預け、何か売店の様なものはないかとお店を探していたとき、ネズの音楽に惹きつけられ、ライブショーに感動してついライブグッズのタオルを買って参加していた。
「何故ダイマックスをしないんですか?」
(え、無視!?)
そんな事情を知るわけがないネズは、が何故ダイマックスを使わないのか気になっていた。気怠げな瞳にジッと見つめられ、は困ったように頬を指でかいた。
「…それは、ダイマックスより好きなものがあると…お答えしておきます」
「……?」
訝しげにネズはを見た。それが睨んでいるように見えたは苦笑いして目を逸らして慌てて言葉を付け足した
「まぁそれもよっぽど強い人じゃないと使いませんけどね!」
「…」