第8章 ジム巡り②
特別大きな氷の塊がヒヒダルマに打ち込まれると、ヒヒダルマは大きく飛び上がった。
「今だ!ハッサム、翼で打つ!!」
またしても空中で身動きのできないヒヒダルマに、ハッサムは素早く飛び上がった。
「ヒヒダルマ、炎の牙で迎えるよの!」
「ダルゥウ!!!」
ハッサムが向かい打ってくる方向へ、ヒヒダルマは口を大きく開け、燃える牙を見せつけた。
「ハッサム、そこの氷を拾って投げつけて!」
#NANE1#はすぐにヒヒダルマに向かっていくハッサムに言うと、ハッサムは跳躍で一度フィールドに降り立った時に、大きな氷の塊を一瞬でハサミでつまみ上げた。
そしてまた大きく跳躍し、その氷をヒヒダルマの口目掛けて放り投げた。
氷はヒヒダルマの燃える口に収まり、ジュウウウと勢いよく氷を溶かした。
「炎がっ!」
「行っけぇええハッサム!!」
バシッと、ハッサムの羽がヒヒダルマに直撃し、ヒヒダルマは更に上に弾き飛ばされた。
「まだまだっ!」
ハッサムは一度フィールドに足をつくと、上にいるヒヒダルマに向かって飛び上がった。
「止めのシザークロス!!!」
両の鋏を自分の前でクロスし、落下してくるヒヒダルマの体に見事に決まった。ヒヒダルマはまた大きく上に飛ばされると、フィールドにドサリと落ちた。目を回し、立ち上がるそぶりもなかった。
「ヒヒダルマ、戦闘不能!」
ダンペイの声がフィールドに響くと、スタジアムは歓声が響き、観客の声も最初よりだいぶ大きくなった。メロンはヒヒダルマをボールに戻すと、小さな声で「ありがとね」とボールの中にいるヒヒダルマに入った。
「お疲れ様、ハッサム」
「…」
フラフラと自分の元へ戻ってきたハッサムに、は声をかけた。
「あとはあの子に任せて」
コクリ、と頷いたハッサムを、はボールに戻した。
試合が終わったら、早くポケモンセンターに連れてってあげようとは思いながら、次のボールを手に取った。
メロンの次のポケモンは、大きな氷の塊が頭にあるコオリッポだった。
「さぁ、出番だよ…」
もフィールドにモンスターボールを投げた。中から姿を表したのは、鈍い青色の巨大な硬いボディに、4本の足をもったポケモンだった。