第8章 ジム巡り②

ここは早く決着をつけたいと思っていたが、メロンのヒヒダルマは体を丸め込むと、一瞬眩しい光に包まれた。光が収まると、ヒヒダルマは形をかえ、雪だるまが火を吹いているような、凶暴な姿に変化した。その場にピョンピョンと跳ね、はどうしようと考えた。

（できればダルマモードになる前に戦闘不能にするのがベストだったけど…バレットパンチもシザークロスも効きにくくなった）

メロンを見れば、まだまだ余裕の表情だ。

（迂闊に近づけばまた炎の牙、挑発で剣の舞も使えない、素早さも少し落ちている、霰もちょっとずつだけどハッサムの体力を削ってる…考えなきゃ…）

「そっちが来ないならこっちからいくよ！氷柱落とし！」

ヒヒダルマは氷柱を次々にハッサムに向かって落とした。ハッサムはそれらを交わしていく。

「連続で炎の牙！」

その最中、ヒヒダルマは勢いよく燃える牙をハッサムに噛みつこうとした。ハッサムは息を少し乱しながらも、噛みつこうとしてくるヒヒダルマを避ける。


（…これが指示も出していないのにポケモンたちが自分たちで行動して、技を避ける…長いこと一緒に戦ってないと身につかないようなことなのに…一体この子、どんな旅をしてきたっていうの）

全く噛み付かれないハッサムと、冷静に試合を見ているに、メロンはますますのことが気に入った。

（カブから聞いてたけど、この子達すっごいタフネス！）

ますます面白くなってきたメロンは、絶対にハッサムを倒してみせると決めた。


「ハッサム、一度距離をとって！」

静かに見守っていたが、ハッサムに指示を飛ばすと、ハッサムは羽を羽ばたかせながら、大きく後ろへヒヒダルマから距離をとった。

「逃がさないよ！ヒヒダルマ、氷柱落とし！」

「ダル！！！」

氷柱が離れたハッサムに襲いかかった。

「その氷柱にシザークロス！」

自分に降りかかってくる氷柱に、ハッサムはシザークロスで砕いた。バラバラになった氷の塊があたりに飛び散ると、ハッサムはその氷の破片の向こうにいるヒヒダルマを見た。

「連続バレットパンチで氷を打って！」

「ハッ！！」

大きさの異なる氷の塊が、ヒヒダルマに向かって撃ち込まれた。ヒヒダルマもそれをうまく避け、当たらないように飛び上がった。