第8章 ジム巡り②
暖かい温泉の湯に浸けた足からポカポカと体が暖かくなり、着ているジャケットを脱いでしまおうか悩みながらも、温泉とは身も心も解してくれる様だ。
「あーーーやっぱ日本人にこれでしょ!温泉!!!最高すぎる!!!!」
は久しぶりの温泉、足湯だがテンションが上がっていた。
アラベスクから一転、キクルスタウンは真っ白な雪に囲まれた小さな町だった。小さいと言っても、街並みは古いが綺麗で、高級なホテルやブティックもしっかりしている。
本当は寒いのが苦手なだが、ガラルに来たら絶対行くと決めていたので、やっと念願の地に足を踏み入れ、温泉を満喫していた。
「あーーーこのまま溶けてしまいたい…」
軽く火照りだした顔に、湯に浸けていた足を引き抜いた。拭いてくる冷たい風が、今は心地いいくらいだった。
「エレズンも大丈夫?熱くない?」
「エレ〜」
湯の中に浸かっていたエレズンも、顔が熱っており、は慌てて湯から取り上げた。あらかじめ用意してあったタオルにエレズンを包み、風邪をひかないようにしっかりと拭いた。
「気持ちよかったでしょ?」
「エレ!」
「また来ようね!湯冷めしないうちにポケモンセンターに帰らないと」
自分の足もタオルで拭き、はエレズンを抱えて宿泊しているポケモンセンターへ戻った。