第8章 ジム巡り②
はアラベスクジムを後にすると、宿泊していたポケモンセンターに戻った。ポケモンたちをジョーイさんに預けると、珍しくエレズンも一緒に行ってしまった。
久しぶりの手持ち無沙汰に少しどうしようかと考えたが、部屋でゆっくりしようと当てられた部屋に戻ることにした。
カバンに入れてあった携帯を取り出し、ダンデに試合の報告をしようとすると、すでにメッセージが一件入っていた。
(あれ、ダンデさんからだ。ええーっと…試合お疲れ様!ちょうどキバナと一緒に観てた。いつもと様子が違ったが、大丈夫か?……ん?!)
はサラッと読み流したメッセージの中に気になった単語を見つけ、もう一度読みかした。
(ちょうどキバナと一緒に観て、た…?!え、ええええダンデ今キバナ様といるの!!?てか一緒にテレビ観るんだ…ってそれ私の試合か!)
ポッポッ、との頬が赤く染まり、誰もいない部屋っだというのに携帯を胸に押し当て、キョロキョロと周りを見回した。
(今絶対見せちゃいけない顔してる/// キバナ様私の試合見ててくれたんだ〜///こんな幸せあっていいのかな…)
グフフ、とは笑うと、ベッドにダイブしてゴロゴロ転がった。
(キバナ様に会いたいなー。ラテラルタウンに行く途中でナックルシティに寄ったけど会えなかったし…やっぱりあんなに会えることが奇跡だったんだ!キクルス行く前にもう一回寄るから……はぁ…会いたいなぁ///)
ニマニマするゆるゆるの頬はだらしなくにやけ、はこの時エレズンがいなくて良かったとホッとした。この顔はポケモンにも見せられない。
『お疲れ様です!
全然大丈夫!むしろポプラさんに元気もらいました!
キバナ様もテレビ観るんですか!?』
キバナ様によろしく…と打ったところで、はその文だけ消した。
(…流石にキバナ様のことばっかり打つのも…)
『お仕事どうですか?頑張ってください』
と打ち込んで、はメッセージを送った。