第8章 ジム巡り②
旅の同行ってわざわざ自分の休みを使ってまでするものなのか?
常に忙しくて実家にも滅多に帰れないって…前に言ってたのを俺さまは覚えてる。
だがこいつがに興味があったことは前々からわかっていたし、開会式の件のことも考えれば、おかしくはない…のか?つーかあいつってダンデのこと苦手だったよな。それが一緒に行動する仲にまでなったのか?
冴えていると思っていた俺さまだったが、余計にわからなくなってきた。
試合はついにポプラさんのマホイップがキョダイマックスをしていた。
「なぁダンデ、聞きたいことがあるんだけどよ」
「なんだ?」
「…お前とって、どういう関係なんだ?」
もうここを聞かなければ、全ての辻褄が合わない気がした。
聞きたくない気持ちもあるわけだが、この際はっきりさせた方が俺さまもこんなモヤモヤせずに済む。
ダンデはやっとテレビから俺さまの方を見た。口がゆっくり動くのが見えて、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
「俺たち友達になったんだ」
「…ともだちぃ?」
友達……あいつとダンデが?
開会式の時は避けられてたくせに、何がどうなって友達になるんだ?しかも結構嬉しそうな顔しやがって!
俺さまの顔が納得いかないような顔をしてたのか、ダンデは眉を少し下げて続きを話してくれた。
「が言ってくれたんだ、友達にならないかって。チャンピオンになってからそう言ってくれる人はいなかったからな」
それだけ言うと、ダンデはまたテレビを見た。
ちょうどはハッサムを戻し、ドラピオンをフィールドに出したのが司会の声でわかった。
「それに君は俺のライバルだ。それはこれからも変わることはない」
「………は?!」
突然のダンデの発言に俺さまとしたことが、ビックリした声をあげてしまった。その言葉を理解するというか、解釈の仕様によっては「ダンデのライバルは一生俺さま」と受け取ってもいいのだろうか。
こういうことをサラッと惜しげもなく言うこいつは本当に天性のタラシだと思う。ローズさんとはまた違って無意識なところが怖い。
あー…でもダンデの中で俺さまが唯一無二のライバルだと認めていることは正直嬉しかった…。それ以下だったら流石の俺さまも泣く。