第8章 ジム巡り②
トレーニングの話もそこそこに、俺さまたちはテレビの司会でようやく意識をテレビに向けた。
和んだと思った場も、俺さまもダンデもテレビに映るに少しピリッとした空気が流れた。意外だったのは、あのダンデが真剣にテレビを見ていることだった。もっと余裕とかあるのかと思ってたからから尚更だ。
「…ポプラさん、勝つのは難しいかもな。あいつはハッサムとドラピオンが手持ちにいる。相性が悪い」
「そうだな…なら確実に出してくるだろう。でもポプラさんもそう柔じゃない」
「そうだな…お、最初はマタドガスか。いきなり毒も鋼も効かねーの出してくるのポプラさんらしいぜ」
テレビの画面がに代わり、フィールドに投げたボールから何が出てくるのか俺さまは少しワクワクした。
(今までの手持ちからして地面タイプを覚えそうなポケモンは持ってなかった。ハッサム、ドラピオン、シビルドン、ゲンガー、ギャラドス…となると、ついに6体目が拝めるか?)
きっとダンデも同じことを考えている、と直感だったがそんな気がした。
ボールから出てきたのは、この地方には珍しいラグラージだった。
「ラグラージかよ…水と地面の複合なら、お前も持ってたよな」
「ああ、ガマゲロゲだ。これならマタドガスにも優位になる」
(エグい試合になりそうだな…)
俺さまがそう思った通り、試合は優先だった。
ラグラージはちゃんと育てられていて、マタドガスを倒すと2戦目のクチートも難なく倒す強さ。その容赦のなさは、誰かを思い浮かべるのに十分だった。
またダンデを横目で盗み見ると、あいつは口に手を当ててジッと穴が開くぐらいテレビを見つめていた。
「お前と俺さま、どっちが止めれると思う?」
「…は?」
「お前もわかってんだろ、こいつは絶対チャンピオンカップまで来るってよ。もちろん俺さまは負ける気はしない。勝ってお前に挑む。そんで今度こそチャンピオンの座は俺さまのものにするぜ」
「キバナ…」
やっと目線が俺さまに向けられた。
「ま、もしかすると俺さまのジムで足止めかも知んねーけど」
「いや、それはないだろう」
なのに、ダンデはカチンとくる一言を行って視線をテレビに戻した。