第8章 ジム巡り②
ラテラルジムを後にして、はこの町で有名な壁画を見に来ていた。
その有名な壁画は色とりどりの花と、剣と盾を思い起こすようなものだった。この壁の奥のことを知っているはカメラでその壁画の1枚を残した。
(あと何年か後にビートが壊しちゃうんだよなぁ…そしたらローズさんがビートの選手剣剥奪して…やり方は無茶苦茶だけど、あれはローズさんのためにやったことなのに…)
は納得いかないと言ったようにジットリと壁画を見た。
(でもそのおかげでアラベスクのジムリーダーに就任することになるんだけど…ま、なるべく主人公たちのストーリーには関わらないようにしないと)
「はぁ…でもやっぱりローズさんは解せん」
「エレ?」
「大人の事情ってのがあるんだよ、エレズン」
「???」
抱えているエレズンの抱き直すと、よしよしと頭を撫でた。
エレズンはの言ったことは理解できなかったが、自分の頭を撫でる手が心地よく、重くなる瞼の重力に逆らうことなく目を閉じた。
(次はアラベスク…ハッサムをそろそろ手持ちに戻さないと)
は壁画とは逆方向の、遠くに見えるルミナスメイズの森を見据えた。手持ちには毒タイプのドラピオンやゲンガーがいるが、鋼タイプのハッサムとメタグロスもいるため、フェアリーには負ける気がしなかった。
が、しかし…
(ルミナスメイズの森…きのこは綺麗なんだけど……あの鬱蒼とした森が怖いな…シオンタウンのタワーも、森の洋館の時も怖かったけど…)
ブルブルとは体を震わせて森から目を逸らした。