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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



「感じて…無いッ…ですからっ」

「う、そ。いけないんだ…。
嘘ついたら、ダメだろ、言えねぇか?」

掴んだ手首が驚く程細い
前よりも少し痩せたか…?

折れちまいそうな位に細い手首

音がする…聞こえる

少しずつ 少しずつ

毎日こうして 会う度に

コイツの音が 失われて行く

生きている音が薄れて
死の音が…奥の奥の深い場所から…

息を潜めながらに
その音の存在感を増して行くのを


宇髄は自分の耳で感じ取っていた


聞きたい音は そんな音じゃねぇ


俺が…聞きたいのは…


ギュッと身体を抱きしめられて
そのまま腕の中に閉じ込められる

「んっ、苦し…い、天元さんっ、
そんなに抱きしめられてしまったら、
潰れちゃいますからっ」

「うるせぇよ、んなら、
お前はそこで、潰れとけ」

そう言って更にギュウウと
力強く宇髄の腕がみくりの
身体を抱きしめて来て
本当に潰れてしまいそうだ

「ヤダっ、もう…、ダメッ
これ以上されたらぁ、んっ、
死んじゃ…うっ、からぁ…放して?」

スルッとその腕の力が抜けて

「色気…ちゃんとあんじゃねぇかよ。
お前、才能あるだろ。うん、あるわ」

「人の事、圧死させようとして置いて
意味の分からない事ばっかり
言わないで下さいよ!」

ぽんぽんと大きな手が
みくりの頭を撫でて来て

「もう、頭ぽんぽんで騙されませんよ?
天元さんっ、酷いですって…
ちゃんと、謝って下さいッ…」

「まだ、心、決まんねぇの?」

彼が それ以上の事に進まないのは

私が それ以上を強請らないからで

私が それ以上の事を強請れないのは


どうにも 心が決まらないからだ



どうせ 死ぬ身なのだと言う気持ちが

私がそこから先の世界へと
踏み出すのを留めていた


「何?始める前から
後悔しちゃってる感じとか?
だったら、そこに気持ちとか求めるの
止めればいいんじゃねーの」

そこにそんな気持ちを
感情を求めないのであれば


それは 所詮形だけの真似事で


それを気にするぐらいなら

それを気にするなと言われてしまった


「それが出来ねぇつうんだったら、
こんな事も全部、止めちまえばいい。
だが、それを止めて後悔するなら、
それも止めちまえ。俺を誰だと
思ってやがる?大魔法使い様、
宇髄天元様だろうが…」






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