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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15


スッと彼の手が
こちらに伸びて来て
私の口を塞いだ

しぃーっと声を出さずに
空いている方の手の
人差し指で合図をすると

穏やかな微笑を浮かべながら
その赤い瞳に見つめられてしまった

良くできましたとでも
言いたげに杏寿郎の手が
みくりの頭を撫でて来て

「君は顔立ちは普通だが、
その瞳は美しい…な。さながらに
夜の闇に浮かぶ……月の様だな。
(……君の見解で正解だろう。
だが…、この件については…
今は、話すべきではない…)」

そう普通の会話をしながらも
私にしか聞こえない様な
そんな小さな声で囁いて来て

この後宮の中にいる誰かが

私を…殺そうとしていると
そう思うと…
ざわざわと自分の胸が騒がしい

「その、褒められている様に…
ないのですが……?
ああ。言い忘れる所でした…
この度は、
銀の食器をありがとうございました。
(貴方の贈って下さった銀食器が
それを考えるきっかけになりましたので…
それに、事前に
私がそれに気が付いた時の為の
お話も通しておいて
もらっておりましたし…)」

「気に入って貰えただろうか……?
本当に贈りたい物はそんな物
ではないのだがな…」

「お言葉にありますが、スルタン様。
私は貴方様からお名前を頂戴するには
及びません…が」

にやりと不敵な笑みを
杏寿郎が浮かべて
自分の唇に指を当てると

「だが…、君は俺じゃないと…
ダメなんじゃないのか?気が付いて…
いないのか?みくり。
考えてみるといい。どうして……
君の家に生まれる女子は……、
嫁いだ先の家を滅ぼしてしまうのかを……」

「でしたら、……私を
妃として迎え入れたら……。
王家が滅ぶ……のでは?」

とみくりが言うと
目の前の彼は大きくその目を
見開いてそれから
腹を抱えて笑い出してしまった

こっちはちんぷんかんぷんなのに

彼のスルタンの中では
もう答えが出ている様だった

「みくり……手を…」

そう促されて
訳が分からないままに
自分の右手を出すと

そのまま その手を恭しく
自分の手に乗せて
手の甲に口付けられる

「あ、あの…、スルタン様?」

「そろそろ、呼んではくれぬのか?
その呼ばれ方ではない、呼ばれ方を
みくり。君にされたい……所だがな。
それとも、命じられる方がいいか?」


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