
第122章 2人で見上げた夏の夜空は… お相手:煉獄杏寿郎 現パロ

「ああ。おばあさん、後で
夕飯の時にでも俺から、
他のご家族の皆さんには、話をさせて貰いますが。
勿論、皆さんの席も…ご用意してますし。
お弁当とお茶付きの観覧席がありますので。
成瀬さんの方からも、ぜひとお聞きしています。
妻には…身重の身体ですし…。
どうしても大きな音もしますし、
人も多くなって混雑が予想されますので
少し離れた場所で
花火を見て貰おうと思ってるんですが…」
そう お前は誰だよと
言いたくなるような
余所行きの声と口調で
杏寿郎が明日の話を祖母にしていて
「(奥さん、顔に出てるぞ?)」
私の気持ちが顔に出ていると
杏寿郎に指摘されてしまったのだけども
「もう、いいのよ。
杏寿郎君、そう気を遣わないで?
普通の話し方してくれていいから。
お父さんには私から、伝えて置くから。
その感じだと、慎ちゃんと辰くんも
その話は知ってるんでしょ?
あの2人が行くって言うんだったら、
伸介も行くしかないだろうし、大丈夫よ」
てかこれ…もう 確信犯じゃない?
先に明日の花火大会の特別観覧席を
私達の家族分 夕食の弁当付きで
用意をしてるって
あの双子に話してたみたいだし
双子が行きたいって言ったら
おじいちゃんもおばあちゃんも
おじさんも行くしかないもんね…
と言う…考えが顔にまた
知らず知らずのうちに出てしまって居たようで
「(だから、奥さん、
さっきから、顔に出てるぞ?)」
そう杏寿郎が私にだけ
聞こえる声で言って来て
くすくすくすと
おばあちゃんがその
杏寿郎と私とのやり取りを見ながら
笑い始めてしまって
「もうちょっとしたら
お夕飯の時間にするから、お腹空いたでしょ?
杏寿郎君は先に、シャワーして
すっきりして来たらどうかしら?」
「はい、ありがとうございます。
そうさせて貰ってきます。
さ、みくり。あっちに戻ろう」
シャワーをするのに
離れに戻るのは
旦那さんだけでいいのに
私を連行する様にして
杏寿郎に離れまで連れ帰られてしまって
「で?さっきのあの顔は
どう言う意味…なんだ?奥さん」
「杏寿郎…さぁ、うちの家族にも
家族サービスして貰えるのはさ
ありがたい話なんだけどさ。
双子に、花火の話…先に通すとか…さ」
「俺は、お世話になってる
片山家の皆さんに花火をな、
純粋に楽しんでもらいたくてだな」
