
第119章 夫婦でおもてなしをしよう!前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ

「……――ッ!!?
いっ、いいんですか…?錆兎。
私…と…一緒に…料理…する…なんてッ」
このリアクションを見てると
普段は料理は錆兎さんが担当してて
雅ちゃんは待ってるだけだったんだろうなって
「いや、さっき…一緒にしてるのが
ここから…見えてたんだが…、
その…、雅が…あんな風に、
楽しそうに…料理するんだな…って。
あんな姿…初めてみたから…」
ギュウウッと隣に居た杏寿郎の服を
私が言われてる訳ではないのだが
無意識に強く握りしめてしまっていて
「奥さん…何やってるんだ?
目の前の…甘々な雰囲気の2人を見て…
ドキドキしてしまったのか?」
「杏寿郎…、てか何してるの?」
「俺か?俺は…
炭の熱で…鍋で沸かした湯で
ミニ剣菱を燗にしてたからな。
ふたりを肴にして、独り酒だが?」
この旦那さんにしたら
何でも酒の肴になってしまいそうだな
「しばらくあの2人はあんな感じだろうしな、
俺は…ミスジのステーキでも焼くか
そろそろ、牡蛎もいい感じになってるぞ?」
殻ごと焼いていた牡蛎を
杏寿郎が裏返しながらそう言って
空いている場所でミスジのステーキを焼いて行く
美味しいいいお肉だから
そんなに焼かなくていいし
ステーキはすぐに焼けるだろうけど…
向かい側の2人は…
見つめ合ったままで
しばらくあのままだろうしな…
「ぬる燗の剣菱は旨いし、
伊勢海老も鮑も生牡蛎も美味いな」
「うん、お刺身もだし、
シュラスコ風もばっちりの焼き加減だったし、
アクアパッツァの仕上げも
流石杏寿郎だねぇ、分かってらしゃる」
「そうか?まぁ美味い酒を飲む為の
努力と労力は俺は惜しまない主義だからな。
それに…勿論、美味い物を美味しく食べる
労力は…、夜も…惜しまないがな?な?」
な?と言いながら杏寿郎が笑っていて
「ちょ…っ、杏寿郎ッ、何言ってんのっ。
馬鹿っ、もっ…、もうちょっと…そこ…は
惜しんで…温存してて…くれない…?」
「照れて恥ずかしがる奥さんを、
見ながら飲む、剣菱はまた格別だな」
ゴホンッとわざとらしい感じの
大きな咳払いが聞こえて来て
ふたりしてハッとして…
2人切りの世界から月城と錆兎が
こっちの現実の世界に帰って来てた様で
「俺も…、ぬる燗の…剣菱…
ちょっと、貰ってもいいか?杏寿郎」
「ああ、勿論ッ。飲んでくれ」
