
第119章 夫婦でおもてなしをしよう!前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ

「あの…赤穂浪士達も…
飲んでいた…お酒…なのですか?」
「剣菱の味は、500年前から
変わらない様に…数種類の樽から
毎年同じ味になる様に…、
配合の割合を変えて調整されてるんだ」
杏寿郎が新しいグラスに
剣菱を注ぐと
そのグラスの中の日本酒は
うっすらと黄色い色を帯びてるのが分かる
「黄色い…んですね…色が…」
「黒松剣菱…剣菱のラベルの
中では下から2番目のグレードだが
県内ならコンビニでも売ってるぐらい
県内では馴染みのある、手軽な日本酒だ。
普通の剣菱は熟成が1~4年の
原酒をブレンドしてるが、黒松は
熟成が1~5年の原酒をブレンドしていてな
普通の剣菱よりもより深くて
複雑な味わいを…楽しむ事が出来る…」
「大分…個性派な味だった気がするな…
昔…飲んだ事があるが…
癖が強かった…記憶があるな。
割とネットの口コミでも、不味いって
評価を受けやすい酒だよな?」
錆兎がそう剣菱の味について言って来て
「俺は、好きな味だが。
すっきりとしたあっさりな
癖のない味が好みな人には難しいな。
あっちで…微妙な顔をしてるが
うちの奥さんも…匂いが他の銘柄よりも
強く感じるって言ってたからな」
流行りを追いかけない
500年前から変わらない
剣菱の味であり続ける…酒…
他の酒にはない 拘りを強く感じる
グイっと杏寿郎が
その薄く黄色く色づいた剣菱のグラスを傾ける
「ああ、これだな…剣菱の味…」
「たっ…確かに…、凄い…匂いからして
濃い感じがしますね…、それに…
味…が…ッ、複雑に…変化するんですね…
割と絡むように強い甘味から来て…」
「その味が、同じ様に強い旨み
酸味と…渋みと最後に苦味が残る…
美味いには美味いが、
自己主張が…強すぎる気がするんだが…」
杏寿郎が氷の入った桶ではなく
その辺に無造作に置かれていた
小さな瓶の酒を出して来て
「今飲んだのは冷酒の剣菱、
こっちは…常温の剣菱」
「温度で味のイメージが変わるって事?」
そう言って飲み比べてみる様にと
2人に進めて常温の剣菱を
またしても別のグラスに注いで
2人の前に置く
「……確かに…まろやかな感じがします
こっちの方が、飲みやすいです…」
「さっきまでの、角が…
取れた感じがするな…、冷酒の方が
冷たい分飲みやすくなりそうだが
常温の方が…癖が穏やかになる」
