第11章 ラングラー
ー穂波sideー
「え!鷺坂周平と穂波ちゃんは友達なの!?」
おむすび作る前にみんなで塩つくね×生ピーマンをぱりぱりと食べて。
にが、うま、にが、うま、のパレード。
それからおむすびをみんなで…作りそうになったところで
倫ちゃんと研磨くんが炭の方、って言って向こうに行ってくれて。
残った3人でおむすびを結んだ。
おむすびを誰かとむすぶのって、楽しいんだよなぁ。
なんなんだろう、なんか、前世の記憶みたいなのと繋がってそうな感じで楽しい。
前世が日本人じゃないとよっぽどだけど…
あ、前世じゃなくて、遺伝子的な記憶かもしれない。
そう、それでおむすびもできたし今はみんなでタープのとこ、
倫ちゃんたちが用意してくれたチルスペースでだらだらとBBQ。
パクパク食べる時間は一旦終わって、
わたしと研磨くん以外の3人はもうひと波、ふた波ありそうだけど、
今はとりあえず、ちょっと休憩みたいな時間。
今年は冬季五輪だね〜って話になぜかなって
どこだっけ、ソチだよね、って。
穂波ちゃんスノボもすんの?って古森くんが聞くから、
うん、するよ〜なんて言って。
鷺坂周平、すげーよなー!とか言うから、
なんて言っていいかわかんなくなって
でもあんまりまっすぐ周平のこと褒めてくれるから、
ありがとう、なんかわたしまで嬉しい、とか言っちゃってそれで。
冒頭の感じに。
『友達なのは研磨くんもカズくんもだよ。わたしはなんていうか、幼馴染?赤ちゃんの頃から知ってる』
「えー、マジか!オリンピック選手に知り合いいんのか」
『…バレーもオリンピック競技だよね? 次は2016年?』
「そうだね、リオ。 オリンピックでたいなー!」
『オリンピック、かぁ…』
冬季五輪はそれでも見たりしてたけど、夏の五輪って実際あまり興味なくて…
それよりサーフィンやスケボーやBMXのXゲームとか、ツアーに興味津々で過ごしてきた。
だからあまり、知らない。
でもきっとわたし以外のみんなは、オリンピックを観てきただろう。バレーの試合はいつも。
古森くんみたいに、オリンピックに出たいと思ってなくても、
研磨くんはバレーを見るの好きだから、クロさんと4年ごとに。
あの、実家のテレビで。 それから、録画を何度も。