第11章 ラングラー
ー研磨sideー
「はい、焼けたよ〜 とりあえず一種類ずつ」
古森くんが串焼きを持ってきてくれた。
5種類を一本ずつ。
鶏のサテ、ミニトマトの豚肉巻き、厚揚げとズッキーニの梅味噌ダレ、
海鮮串(海老、ホタテ、パプリカ、紫玉ねぎ)、それから塩つくね。
『古森くんありがとう〜。古森くんの分は?』
「俺はあっちで食うよ」
『そっか、おむすびはさ、お肉たちと食べるし塩むすびでいいと思う?』
「あー… うん? 他に何があるの?」
『うーん? でも今するならごま塩か、ごま油塩か……』
「あー、どれもうまそう! …じゃあって、仕事増えるし塩むすびでいいよ。
っていうか俺もやろうか? もし邪魔じゃなければ」
『ほんとー♡ じゃあ古森くん塩むすびでわたしごま油塩にしよっ
今蒸らしてるから、その間に串焼き食べよ♡』
「おけー、じゃあ俺の皿も持ってくるわ」
おれは先にちょっとずつ食べてたんんだけど、どれも美味しい。
…で、
『あ、ピーマン。もう全部焼いちゃったかな、ちょっと見てくる』
「ん、いいよおれいく」
塩つくねに生ピーマン。
孤独のグルメでやってたやつ。
穂波は宮城のおばあさん家で遊児と焼き鳥して食べたみたいだけど、
おれは初めて。 この食べ方したいね、って話してたやつ。
治くんたちのとこに行って生のピーマンを持っていこうとしたら
治くんに見つかって、何すんの、あ、あれやろ!とか言って。
それでよくわかんないけどみんなで穂波のいるとこに集まった。
穂波は海老とかの刺さった串を両手で持って何かをもぐもぐしてる。
…並び的に紫玉ねぎかな。
『みんな揃ってこっちきたの〜?』
「え、研磨くんと穂波ちゃんで一本食うてんの?」
「いやだって、5種類をそれぞれ一本ずつ渡したらこの2人それでお腹膨れちゃいそうじゃない?」
そう、おれもそれ思った。
古森くんはふつーに周りの調和を取っちゃうタイプの人なんだなーって。