第11章 ラングラー
ー研磨sideー
サーフィンしたら、冒険フィールドが広がるよって、
前に穂波が言ってた。
たしかにこれはフィールド拡大の範囲もすごいしそれに、XPもかなり、上がる。
ボードから下りて、穂波のとこに行く。
穂波は、おれらのこと見守ってるだけなのにほわほわしてる。
ていうか…
サーフスーツかわいい…
いや普通に置いてあるの見たら可愛いとは思わないと思うんだけど、
配色とか柄とか、鮮やかで大きい感じで。
でもこうやって、穂波が着てると、途端にかわいいみたいなあれだ。
上が長袖で、下が普通の水着なのがまた、なんか…
肌の露出具合があんまないバランスで… すき。
おれ穂波の脚、すきだし。
…今は脚、見えないけど。
「いや研磨くん今絶対、脳内で脱がせてるか触ってるし」
「角名くんうるさい」
「 ! 」
「いいなー!研磨くんにうるさいって言われてる!」
「なんでいいななの、元也くんいみわかんない」
「いーや!意味わからんのは研磨くんやし!なんでそんなにすぐ掴んでんの!?
俺らん中で一番アスリート感ないくせに!」
「…まだ腹這いで乗っただけ」
「いやでも全然ちゃうかったで!?気持ちよさそうやなって思った。俺もスーって出てきたいわ!」
『体重をノーズ側に乗せると、スーって。 押してくれるよ。 とにかく…』
波をよく見て、あとは波を捉えて。
波と、一つになれる感じをまずは一回でも。
そう穂波は言う。
波と一つになる感じ、確かにあった。
おれが操ってるんじゃない、波に操られてるんでもない。
お互いにお互いの力を感じ合ってる感じ。
……波相手にお互い、とか思ってる自分に少し、驚いたけど。
でもほんと、そんな感じなんだから仕方ない。
「波の選び方もっぺん聞いてもええ?」
『んとね… んーと…… じゃあ、わたしあれ乗って、って言うから、一緒に波見てて?』
「ぉん!」
言語化することもできるんだろうけど。
多分穂波はもっと感覚的だ。
あと多分単純にサーフ用語が出てきちゃうんだと思う。
それを避けるように穂波はそう答えた。