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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第11章 ラングラー


ー古森sideー





穂波ちゃんの表情はずいぶん軽くなって、いつも通りになった。
いつも通りがこんなに嬉しいって、すげー幸せだな、とか。


ゆで卵の皮を剥き始めたから、俺やるわーって言ったら
一緒にやろ、ってこっちにきてくれた。

ゆで卵のお湯は湯切りせず、鍋に入ったままで蓋がしてある。
洗い物とかに使うんだろうな。

卵10個。
大した量ではないけど、一緒にやれてまたちょっと、そういう気分になる。

あーいいなー、彼女を越えて同棲が羨ましい。






「これは何になるの?」

『煮卵にしようねって治くんと話してたの。
あんまり美味しそうな卵だったから、1パックだけ買うってのが出来なかったの』

「そっか、2人に選んでもらって卵も嬉しいだろうね」

『…ふふ、選んだからには!ってね、気合いの入るわたしたちだから……』

「穂波ちゃん?」




一瞬で、寂しそうな顔が戻った。
そういえば研磨くんも治くんも全然帰ってこないな。





『え、あ、うん?…こんなじゃだめだなぁってちょっと、自分で自分に打撃入れてみちゃった』

「そんな言い方しなくていいよ、無理しないで」

『…ん、ありがとう。大丈夫だよ』

「……穂波ちゃんの急所ってどこ?」

『え?』

「聖臣はすっげーくすぐったがるんだよね、ほんと、ペアストレッチとかやばいから」

『聖臣くんが?お腹を抱えて笑うの?』

「豪快にはいかないんだけど、小刻みに震えてそれから」

『それから』

「不機嫌になる」

『んふっ…それはとんだ…』

「そうそれ、とんだあれだよね 笑 今どうしてんだろうなー。
まぁそもそも柔らかいし身体の使い方上手いから、自分でやってんのかな」

『そっかぁ、わたしペアストレッチ、すき』

「へー!あ、ダンスとかで?」

『うん、それもあったり、色々♡今日やる?』

「え、マジに!やって欲しい〜」

『じゃあ、夜にでもやろっかぁ やったぁ』





なんであんな悲しそうな顔したの?
こんなじゃだめってどういうこと?

聞きたくもなるけど、この笑顔が見れたら、とりあえずいいかなって。

俺のこれは、根本的な解決に繋がってなくて、よくないやつなのかな。
でも、俺は彼氏でもいつもそばにいる親友でもなんでもないし。

このくらいでいいのかなーっとか。

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