• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第11章 ラングラー


ー研磨sideー








翔陽でも音駒バレー部でもない人と、
こんな風に一対一で話すなんてことあったかな、
もし、穂波に出会ってなかったら。







赤葦も月島も影山も。
元也クンも治くんも。








みんないい人だなって思う。
穂波がいなきゃ、大抵が見たことある人、くらいだったんだろうなとか。









治くんの今、描いてる店のイメージは、
聞いててすぐに頭に浮かぶような素朴な感じで。

それから、北さんのお米を使いたいとかそういう、
素材へのこだわりもあって。

いいな、と思った。

北さんはいつか、自分のブランド米みたいなの作ると思う、らしい。
春に北さんから送られてきた米は、ほんと美味しくて。
まだ就農して2年も経ってないのにすごいなと思う。
まぁ、おばあさんとかとやってるんだけど、それでも。

……高二の春の始業式の後、穂波と石神井公園歩きながら話したことを思いだした。










──『美味しいおむすびやさんが公園のそばにあったらいいのにな』






ベンチでおにぎりを食べて、しばらくゆっくりしてから池の周りを歩いてると
落ちてきた桜の花びらを両手で捕まえながら穂波が言った。








「…おむすび屋さん?」

『うん、コンビニのはコンビニのでたまに食べると美味しいけど。
公園の近くってパン屋さんは結構あっても、おむすび屋さんってないよね』

「おむすび屋さん」

『うん、おむすび屋さん。あと豚汁かけんちん汁が飲めたら完璧』

「…あぁ、それはいいね」











「穂波、おむすび屋さんがあったらいいなって、治くんに会う前から言ってた」

「…あぁ、やっぱあれほんまやったんや」

「…?」

「初めて会うた時にもう既にそういう話になってん。そんで、そういうこと言っとった。
穂波ちゃんはその場のノリでそういうこと言う子ちゃうのはわかってるんやけど、
それにしても話が出来過ぎとって、運命的すぎて少しな、少し、あれほんまなんかな、って思てた」










穂波は別に、おむすび屋をやりたいって言ってたわけじゃないけど。
こういう場合も運命感じたりするんだな。












/ 1069ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp