第11章 ラングラー
ー穂波sideー
治くんが持ってきてくれた(ということはつまり倫ちゃんも)ご飯はチャーハンに。
玉ねぎ、人参、ピーマン、ベーコン、卵のオーソドックスなやつ。
治くん担当。 治くんが家から持参した中華鍋で作るって。
わたしはキャベツの中華スープを作りながら、
ツナときゅうりの春雨サラダも。
「あとは穂波ちゃんの漬物と、」
『治くんのチャーシューで完璧♡』
「やんな! やっぱ俺らって最高やん? 人ん家でもキャンプでも息ぴったりやんな?」
『ふふっ 治くんと立つ台所は今までにない場所になるよ』
「せやんな! まるであれやって」
『うん、まるで……』
料理上手は、とは言うけれど。
その足捌き、手つき、指の動き、
素材の触れ方、汗の拭い方、味見するその…
「言葉にするんは自制するけども! なぁやっぱ俺ら……」
『………』
「いや、めっちゃ真っ赤なってるやん! 想像してんの、俺とエッチすんの」
『おしゃっ おしゃむっ おしゃっ…』
ふしだらな妄想をしかけて…
そこに治くんがあけすけなく掘り込んでくるものだから、
尋常じゃないくらいに吃ってしまった。
はずかしすぎる…
「だははは! 吃りすぎやろ! やば! ほんまかわいいなぁ」
『おさみゅきゅん、ちょっともう…』
「…おさみゅきゅん 笑 あかん、ちょっともーなんなん!」
『治くん……』
「ええってええって、普通やろ、ええ子がおって、なんか息ぴったりやと想像するって。
いやでも嬉しいで、俺、脈なしではないんやなって」
『………』
「よぉ知らんけど、ダンスとか音楽とかもそういうんあるやろ?
海外ドラマでよぉあるやん、一緒に踊ってそのままエッチするん。
バレーでもあんで、俺は男としかバレーしたことないであれやけど、あるはずやで」
『あ、わかる。海とかね、海なんかもうね…』
「地球とセックスしてる気になるんやろ?」
『うん、そうなの。気になるんじゃないよ、もう…… って治くんっ』
「なに? 別に普通に会話してるだけやけど?」
わたしも、普通に会話してるだけだけど…
はぁ、深呼吸深呼吸。
研磨くん達の方を見れば、タープの下にチルスペースが完成されようとしてる。