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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa








箱の中にはペンダントライトシェードが二つ。
麻生地でギャザーのよせてあるやつと、アルミ製のマット塗装のされた濃ゆいブラウンのやつ。
好きな家具屋さんのネットショップで研磨くんとみていたものだった。

これいいね、こっちもいいね。
部屋の数が多いから選ぶ選択肢がいっぱいあって楽しいね。

でも慌てたくないね。

でもソファとかは座って決めたいけど、シェードならネットでもいいかな。
ここのなら質感とかはお墨付きだし…

まぁ、シェードはないわけじゃないし(この家にもともとついてるのがあるわけだし)
娯楽じゃないけど、今必要な買い物じゃないから、今じゃないね。ってなったんだ。





「おっちゃんから部屋の写真見せてもらって。
なんとなーくイメージして。この辺ならどっかに使えそうかな〜って」




周平はそんなことを言ってた。
麻地の大きめのは寝室に。
アルミのは研磨くんの部屋に取り付けた。





「リビングじゃねーんだ」

クロさんは言った。

「うん、なんか…」

『リビングはこのままの雰囲気残したいなって』





それは、研磨くんとこの家を一緒に見にきた日から決めてた。
2人とも全くの同意見で。

リビングはなんていうか、おじいちゃん家。おばあちゃん家。っぽい感じのままで。
とはいえテレビは立派だし、テレビ台も新しいから、っぽさしかでないけど。
なんていうか、そのままの感じ極力残したいね、って。





「あー懐かしい感じな。いいじゃん。くつろぎに来やすいわ」

「人によっては一番力入れる場所だけどな、リビング。みんな来る場所だし。
いいな、2人っぽくて、抜くとこ抜けてて」

「…確かに。研磨が遠くなっていく感じ、ここの部屋の雰囲気で全然違う気がするっすね」

「なにそれ虎」

『…笑』

「研磨が遠くなっていく 笑」

「馬鹿じゃないの虎、意味わかんない」

「いや、その意味くらい察しろ」

「なに?」

「いや、察せないくらいでちょうどいいんじゃね、実際遠くなっていかないんだし」

「そうだな、じゃあ本当に遠くなって行ってしまいそうになったら、今の山本の言葉を解説するか」

『…ふふ そんな日はきっと来ないけど』





研磨くんは遠くに行ったりしない。
いつも地に足をつけて、しずかにわくわくを楽しんでる。
面白い、を追求してる。

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