第7章 su casa
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「なんか… どうすれば良いんだ?」
『んー、もうまとめて一括でみんなに送っちゃえば良いんじゃない?』
これがいいってのが大体決まって。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、掃除機。
この辺りはまぁ、よくある引っ越しの時に買うものみたいな感じする。
けど、除湿機、加湿器、布団乾燥機にこたつとか…そういうオプショナルなのはこっちで買えば良い気がするし
アイロンとかドライヤーとかそういう細かいのも然り。線引きがよくわかんない。
「まぁ、それでいっか。予算から外れたのは言ってもらって、おれが買えばいい」
『ね、それがいい』
「時間かかるからどこかで休みながらにしよ。とりあえず、買い物済ませよ」
『うん』
エアコンは部屋数多いし引っ越し前に取り付けの段取り組みたいし、もう買っておく。
一昨日卒業して家に帰ってからクレカの申し込みしたけど。
当然ながらまだ手元になくって。デビッドカードで払う。
配送と取り付けのために住所書いて、名前書いて……
「孤爪 研磨さま…… こづっ 孤爪研磨様って…… あの、孤爪研磨様ですか!?」
「…いえ、違います」
「あ、そうですか…… 失礼しました… いやでも……」
あの孤爪研磨さまってなに? やめて欲しい。
担当してくれた若い男の人にジロジロ見られつつも、
手続きを済ませてささっと店を後にする。
『ゲームの大会ってなんだろ… 観戦もできるの?』
「…うん、オンラインでの開催だとオンラインでだし。ドームとかである時は普通に観客入ったりする。
『へぇ… 見てくれてたのかなぁ?』
「…かもね でも住所も書いてるしなんかチョットやだったな。ていうか名前出してないのに…」
『…確かに …でもさっきのお兄さん、きっと研磨くんのことすごーいって純粋に思ってそう。
きっと悪いことする人は、あんな風に名前見てあからさまに反応しなそうだから大丈夫そうだし…
…ってわたしのこれは能天気で根拠ないから、軽く流してね』
「…ん」
普通の店なら大したことないんだろうけど、
電気屋はちょっとだけ、気をつけようっていうか…
ネットが無難だな、とか。