第6章 リレー
ー穂波sideー
「穂波、研磨たち来たよ。出る?」
インターホン確認したカズくんが教えてくれる。
ちょうどお勝手もひと段落してるし…
『うん、行こうかなっ っていうかカズくんほんと浴衣似合う♡
かっこいいかっこいい、かっこいいかっこいい!』
「…ん、わかったってば。 …ちょっと、胸当たってるから」
思わずぎゅうと抱きついてしまって、カズくんに嗜められる。
ハグって色んな人に普通にしちゃうけど、
カズくんとはまだ身長差が普段の逆バージョンであるわけだし、
押し付けちゃう場所がどうも、アウトらしい。
『ひゃ!ごめん、でもカズくんに触ってたいよぅ…』
「それはおれもだけど。ほら、研磨たち待ってるよ」
『うん!カズくんも行く?』
「…別に、どっちでもいいけど …じゃあ行く」
カズくんと玄関を開けると、研磨くんクロさん周平。
わかっていたけど嬉しくて。
それから、もう知り合って2年経ってるけど、
周平と研磨くんやクロさんが仲良くしてるの見るの、すっごく嬉しい!
『いらっしゃい!』
「やっほー、穂波とカズマ〜 2人して浴衣かわいいじゃん」
「ほいこれ、お土産〜」
『わ!これ!ずっと食べたかったやつ!そっか、クロさん仙台行ってたんだっけ』
「お、宮城によく帰ってるから食ったことあるかと」
『それが、ないの。おばあちゃんが生クリーム好きじゃないからおばあちゃん家にはないし。
お母さんたちもいつも買わないし、なんかわたしも何故だかいつも違う和菓子さんで買っちゃって…
だから嬉しい嬉しい!食べる食べる! クロさん食べた?』
「食った! 俺のおすすめはずんだクリーム〜」
『おっけー♡ 後でいただくね。 ありがとう。 じゃあ、ご自由に、気楽に、いつも通りに♡』
「おっけー じゃ、シゲさんたちに挨拶して来るわ〜」
周平もクロさんも見送って。
目の前に残るのは、研磨く…
『んッ…』
いきなりカズくんが耳元で何かを囁いた。
ふって息がかかってドキってしてキュってしてなに言われたかなんてわかんない。