第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー白布sideー
「…ぅわ ちょっと」
布団の上に寝転がって占いを読んでた。
占いなんて初めて読んだけど、結局は文章とか書き手の感覚だとかとの相性なのかもな、と思わせる何かがあった。
漠然としているし曖昧だし信憑性だとかそういうこととなってくると、すごく儚いものだけど。
それでも、昔から伝わってきているだけの何かがあることは理解できた。
そしてそれに魅了される人が世界中にいる、ということも。
お互いに眠いのにでも読みたい、みたいな状態で。
まるで眠る前に読む物語みたいだね、とか言いながら。
それから俺が天童さんの誕生日から星座を調べてたら、
穂波は俺のブルーライトカットメガネをつけたまま隣で寝息を立て始めた。
それからその寝顔にしばらく見惚れ、
気になることもあるしもう少しだけ調べてから寝ようって思ったんだよ。
…でも今俺、ここでそのまま寝てたみたいで。
パソコンはスリープモードになってるし、読みながら寝たのだと理解するのは容易かった。
目が覚めたきっかけは、寝ながら穂波が俺に抱きついてきたから。
その暖かさに、柔らかさに、重さに、眠りながら心地よさを感じて、
俺も抱き返して、抱き枕みたいにして寝ていた。
でもふっと鼻に髪の毛が当たって目が覚めた。
それからそのタイミングで
『白布くん、すき。 ありがと…』
とか、寝言で言うもんだから理性が吹っ飛びそうになる。
ここ彼氏の名前呼ばなくていいわけ?
俺のこと好きって、そりゃ俺が穂波に感じてるのとは種類が違うことくらいわかる。
わかっていてもなお、嬉しいと感じるし、
この状態で言われると身体も、反応してくる。
…はぁ、ほんと。
こいつ、大丈夫なのか?このままで。
理性がどうとかじゃない、わりと普通の男相手だったらもうとっくにヤられてるだろ。
…いや俺は十分に普通な男だけども。
この、穂波を大事にしたいみたいな。
自分でもよくわからない一途さと頑固さが、それを許さない。