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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー侑sideー





















今日が最終日。
明日の午前中の便で発つ。







あの日、夜中に練習しよかいうて、
いやコード分からん、ってなって、
ハモリもわけわからん、なって、
調べてもなんや違う、らしく穂波ちゃんは
“焼きマシュマロの金髪くん”とかいうやたら長い呼び名のやつに連絡を入れた。

そんでその日は
歌詞覚えよ、いうて何度もその歌歌ったあと、
カラオケ大会みたいなことして終わった。
同じアーティストの違う曲とか、もう全く別物の曲とか。

次の日の朝には、“焼きマシュマロの金髪くん”から3つ動画が届いとった。
ギターコード、ハモリ1、ハモリ2 みたいな。
それだけでクソ巧いのわかったしエロかった。
聞いたら音駒の頃の後輩らしい。
もっと聞いてったら、最近巷でも話題になっとるバンドの子やった。









その動画を見ながら朝とか夜とか、一緒に歌の練習する、いうのがここでの俺らの日課になった。
俺は毎朝走り込み行って、
穂波ちゃんが大学行っとる間に買ったボール触って庭でちまちまやったり、
穂波ちゃんが紹介してくれた大学のバレーチームに入って練習に参加させてもらったり。

夕方は波が良ければサーフィンに行くのがお決まりやった。
波がよくなくても天気が良かったら海に潜ったりして遊んだ。
朝から行った日もあった。

買い物一緒にして、今日何ー?って台所でいうて、
机の準備俺がして、一緒に晩飯食って、一緒に片付けてほんで歌の練習いうんはもう毎日やった。

もう俺らの日常できてるやん、
このままここで2人で暮らせるやんってほんまに思うような時間やった。










んで今、穂波ちゃんのこと、再会した店で待っとる。
海行く前にジューススタンドでジュース飲んでこ、言うて待ち合わせや。











『…侑くん、お待たせ』










小さい花柄のワンピース。落ち着いた感じの赤。
正面から見たら、ヴィンテージっぽい落ち着いたデザイン。
でもな、俺朝も会うてるから知ってるんや。







『まだ頼んでないよね、一緒に行こ?』









ジューススタンドの方を向くと穂波ちゃんの背中がぱっかーんて見えること。
…バックオープン、すきや、俺。




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