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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー穂波sideー










「歌、練習せぇへん?」











侑くんがいきなり、そんなことを。
脈絡がなさすぎて、?を浮かべて沈黙を返すことしかできない。










「車の中で言うてたやん、最近ギターもまた触ってるんやって。
ほんでなんか日本語の曲歌いたなってるって」

『あぁ、うん?』










確かにそんな話を流れでした。
日本語の曲を聴いていたら、日本語の曲弾き語りができるの…ないかもって思って。

それどころか、ビートルズとかその世代の曲ばっかりだなって。










「あれ歌いたい」

『うん、なに?』

「バビロン?」

『あぁ、いいね。おもしろそう』








2人で、だから歌える曲って感じもするし。









「おもしろそうやろ?俺は楽器はできへんけど、歌は普通にすき。
これから1週間でどこまで仕上げれるかやろや。
穂波ちゃんやることちゃんとやりながら、どう?」

『いいね、のった』

「よっしゃ!ほんならどうする? 今日まだやることあるんやろ?」

『うん、もうちょっと予習を進めたいのと、レポートのチェックを』









今日、海入る前にある程度終わらせたけど、
まだやりたいことはある。









『…1時間』

「ん?」

『1時間で済むと思うから、そのあとどう?』

「ほんまに今日もええの?」

『せっかくなら今日からやろ、時間は限られている』

「ほんなら俺ちょっと、寝たいんやけど。仮眠。
そこのラグんとこで横になってもええ?」

『あ、侑くん今日は早く寝ないとだった』

「ええよ、俺は特に予定ないし」

『…ん、わかった。 ラグの上はもちろんだけどちょっと硬いかも。
ソファで横になってもらって全然大丈夫だよ』











そんなわけでわたしは自室で、
侑くんはリビングで。

それぞれの時間を過ごすこととする。










侑くんが家にいる。海を越えて遊びに来てくれた。
日常ではない、すごく特別なこと。

それは重々周知の上で、
日常の延長のように一緒に時間を過ごせることがありがたくて、幸せで、
かけがえのないものとして蓄積されていく感じがした。















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