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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー侑sideー









「…それに、おれ侑くんのことシンライしてるし」










さっき信じてもろてるって思ったときは素直に嬉しかった。
でも今、この流れで言われるとこれは、脅迫にしか聞こえん。

…こわ。 でも同時にグッとくる。 なんなんやろほんまに。










「その信頼無駄にせんようにとか、俺もう思わんからな」

「…ふ そんなの当たり前。 じゃあ侑くん、穂波のことよろしく」

「…ぉん、わかった」










それから大学の講義あるから、いうて研磨くんはサクッと電話を切って。
俺はそのままテラスのカウチに座ったまましばしぼけっとした。

心地ええけど、
半袖半パンでずっとおるにはちょっと冷たい風が抜ける。
さっき渡してもらったブランケットをしっかりめに身体にかぶせて、
斜め前、屋根の向こうにみえる空を見上げる。










「…よろしく、て。 俺はボディガード要員かっちゅーねん…」










研磨くんに相手にもされてへん、ってなんか悔しいとも違って。
なんやろ、どうあがいても、あの手この手で穂波ちゃんを俺の虜にしたとしても。

結局帰るとこ研磨くんやん。
最終的に負けやん。

みたいな感覚になる。

でもすきやから、諦めれん。
けどどっかやっぱ諦めてるんやな、とも思う。










『…侑くん?』

「あ、穂波ちゃん」

『電話終わったかなって思って。頭わしわしして、どうかした?』

「おぉん、どうもせんよ。ただ、研磨くんってかっこええなぁって思って」

『…んふふ 同感』










ほんで、いくら俺のことマジですきやんって思う節々があっても、
あやういとこあっても、
結局穂波ちゃんは研磨くんにベタ惚れやし、研磨くんのものなんやって。

こういうちょっとした時の表情とか空気みて、思う。
そばに研磨くんがおったら、その思いはさらに強い確信になる。









でも今、俺は任されてるんやから。
ぐだぐだ考えんと、この時間を楽しめばええやんな。












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