• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘









まだ座らんと、テーブルの横に立って
忘れてる約束を俺が果たすのを待っとる穂波ちゃんに近づいて。







ちゅっと軽い、キスをほっぺたに。

性的な意味合いを感じないくらいの、
カジュアルで気楽で爽やかなキス。









──「じゃあ、次また会うた時は、俺からするな。
よっ、久しぶり〜 会いたかったで いう気持ちのせて」








研磨くん家であった送別会の帰り際、
玄関で穂波ちゃんは俺のほっぺたにキスをした。

すっごい軽さで、ほんまなんでもないことのように。

他の人にはしてなかった、サムにも、ぼっくんにも。

俺だけに、してきた。



でも俺、別に浮かれたりせんと、
それをすっごい自然なこととして受け止めれて。
次は俺がするからなって言ったんや。








確かに忘れとったし、
実際再会はそれどころじゃない感じやったけど、
もしするなら今このタイミングが最後かなって感じや。

食事の前に改めまして、みたいな。
そんな感じ。








「久しぶり。会いたかったで、ほんまに」

『うん、わたしも!会いにきてくれてありがとう、侑くん』

「おん!」

『ではでは冷めないうちに…』







初めての穂波ちゃんの手料理。
(お惣菜セットじゃないやつ)
初めての2人でのメシ。








「いただきまーす!」

『ふふ、召し上がれ〜』








ボンゴレビアンコ、イカとトマトのマリネ、オレンジと生ハムのサラダ、
パプリカとアンチョビの蒸し煮、いんげんのポタージュ、オリーブののったフォカッチャ。










「うっま…」

『………』

「なぁ穂波ちゃん、めっちゃうまい!」










ほんまにうまいから、うまぁーって穂波ちゃんの方見たら、
めちゃくちゃかわいい顔してにこにこしとる。











『…ほんとー? よかったぁ、ありがとう』

「一生食べたいわ」

『んふふ、一生作りたいわ』










この子、美味しいって言われると、
かわいいって言われた時よりもっとかわいい顔するんかもしれん。

…やば、なんこの特性。

胃袋掴んでそのまま沼やん。
もうずっとすきやのに、もっと好きになってまう。








/ 1069ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp