第21章 その鏡に映るのは ※R-18
唇と唇の間を指先で
そっと撫でて付けて来て
要するにこれは 私は彼に
お返しを…ご所望されているのだろうか?
「こ、これは、杏寿郎が、私の
足の指を舐めたからって……事?」
「俺の指にも、……そうして
貰いたいのだが?ダメだろうか?」
これで それのお返しになるのかは
私にも分からないけども…
いきなり 指にしゃぶりつくのも
なんかなぁとも思うし
いつも杏寿郎が 私の手の甲に
恭しく口付けてくれるようにして
あげはが杏寿郎の右手に自分の手を添えると
その中指の爪の先に
そっと口付けを落として
そのまま指を上がって行く
そのまま 杏寿郎の手の甲に
あげはが口付けを落とす
杏寿郎の手
大きい …逞しい手
男らしくて…… この手が
「貴方のこの手が…が、あの時の
列車の乗客を護ったのですね…」
「それは君とて同じ事、俺一人では
なし得れた物ではないぞ?君が居たから
救われた命があったんだ。
君の手も素晴らしい…」
そう言って 私の右手を
杏寿郎が取って その手の平に
口付けを返してくれた
「もう、ダメですよ、杏寿郎がしたら……」
そう言って同じ様にあげはが
杏寿郎の手の平にも口付けを
返して行く
でもこの手は あの時
乗客を護った 手だけども
この手は…私に…いつも
いやらしい事を沢山する手でもあり
両方の手を添えて 杏寿郎の右手を取って
杏寿郎の中指に添えると
ちろっとその指先に舌を這わせた
爪の先の指との間の所にだ
ぞわぞわとした感覚が
指先から広がる
そのまま指の腹の辺りを
指に添うようにされた
あげはの舌に包まれつつも
軽く吸い上げられて口に含まれる
あくまで浅く 第一関節までで
それを何度か繰り返されたかと思うと
舌を回されて
舌の裏と下あごの間に指を
移されてしまって
舌の裏側で中指の上の面を
舐めれられてしまう
「あげは…、それは誰に教わったんだ?」