• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第13章 新たな風


洗濯のカゴを保護者…というか姉貴に渡した歩ちゃんが小走りで戻ってきた

「及川さーーーーん!」

「あ、歩ちゃんお疲れ」

「お疲れ、じゃないですよ?!何でもっと早く言うてくれんかったんですか?!」

「ん?なにを」

「なにって…アルゼンチンですよ!そんなん聞いてません!」

「言ってないもん…てか、もし俺が電話でもうすぐ日本からいなくなるから、会ってほしいって言ったら会ってくれたの?」

「…それは…」

「ほらね?こんな風なやり方で呼び出して悪かったよ、でも…願いは一つ叶ったから俺は満足してる」

「願い…?」

「歩ちゃんにマネージャーしてほしいなって思ってた。歩ちゃんが青城に来てたら、俺たちのチームのマネージャーだったら、どんな毎日だっただろうって」

「及川さん…」

「さ、そろそろ体育館も閉まるから出ようか」


微妙な空気を断ち切るように言うと、俺たちはコーチに挨拶をして体育館を後にした


体育館から駅までの道はランニングコースになっていて、整備された歩行者用の道路があり、途中には休憩用のベンチなんかも置いてある


「ここ、よく走ってるんだ」

「そうなんですね」

「で、そこのベンチで休憩してから帰るのがルーティン」

そう言いながら、いつものランニング帰りのようにベンチにドサッと腰を下ろす

その様子を見ていた歩ちゃんも、少し離れてベンチに座った

「今日の俺、かっこよかった?」

「自分で言うんですね(笑)でも…バレーしてる及川さんは素敵だと思いますよ」

「あーあ、残念だね」

「…なにがですか?」

「だって同じ学校のキャプテンとマネージャーだったら、絶対俺のこと好きになったのにね」

「ははっ…どうですかね」

歩ちゃんはイタズラっぽく笑う

「ねぇ…最後だし…真剣な話聞いてくれる?」

俺がそう言うと彼女は真剣な眼差しでこちらに向き直った


「はい」
/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp