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FLYHIGH(ハイキュー)

第8章 それぞれの春高まで


浅草に着くと、私はアリサさんに手を引かれ、ある建物の中に入る

「ここって…」

中に入ると、色とりどりの着物がズラリと並んでいて、着物レンタルが出来るお店のようだ

「やーん!私きてみたかったの!でもね、私見た目がこれでしょ?で、もしレーヴォチカ誘っても、あれでしょ?2人で着物着て浅草なんて、外国人の観光客丸出しじゃない?!れっきとした東京都民なのに!!」

アリサさんは腰に手を当てて不満そうに言う

「いや、アリサさんほどになると観光客ってよりか外人のモデルが撮影してんのかな?て思いますけどね」

「えーほんと?歩ちゃんってば、ほんといい子だね〜。まぁそんなわけで私と男子高校生の利害が一致したので、2人で着物選びましょうっ」

アリサさんに両肩を押されて店の奥に案内される


「歩ちゃんどれにする〜?」

「あ、アリサさんめっちゃこれ似合いそう、いやこっちも」


2人でキャッキャしながら着物を選んでいると、店員さんが近づいてきて申し訳なさそうに

「あのーすみません…お客様たちはかなり上背があられるので、こちらのコーナーではなくて、あちらの大きめサイズの方からお選びいただきたいのですが」

と言う

手の平で示された大きめサイズコーナーは、格段に数が減ってる

「…特にそちらの外国人のお客様は、その中でもこの数枚になります」

アリサさんのタッパで選べそうなのは赤、ピンク、黄色、紫、水色の5枚だった

「外国人観光客も多いんだから、もう少し種類多くてもいいのにね」

アリサさんは膨れながら5枚の着物を順番にあてがう

「大丈夫ですよ、何着ても似合いますから逆に選ぶ手間省けて」

かく言う私も大して選べる量ないけど…

ハンガーにかかった着物を物色しながら、ふと脳裏に合宿中、白鳥沢での会話が思い出される


『姐さん、黒い着物とか似合いそう』


ってことは…黒は…

ナシやな




私はアリサさんに選んでもらった着物に決めて、ヘアセットまでして貰えるって言うから、中途半端に伸びかけた髪をキュッとアップにしてもらった

「えへへ、どうかな?」

先に仕上がったアリサさんが着物の袖を掴んで現れる

「やばいです、これは美しいキモノの表紙です」

「もうっ、歩ちゃん大げさ」
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