第8章 それぞれの春高まで
少ししんみりした気持ちになりながら、帰宅する
「年内の部活もこれで終わりか…」
ベッドに寝転びながらスマホを取り出すと、黒尾さんから着信があって、かけ直す
プルルル
『よぉ、お疲れちゃん〜俺らは今日で練習納めだったんだけど、そっちは?』
「お疲れさまです、私たちもです」
『歩チャン、帰省とかするんだっけ?あー地元どこだっけか』
「兵庫です」
『いつから?』
「明日の夕方、従姉妹が仕事終わるの待って合流して行こうかなって」
『お、ちょうどいいや。明日朝から東京観光しようよ、チーム音駒が案内してやろう』
「明日の朝?!急に!!」
んー…まぁ元々東京駅で待ち合わせして帰ろうかなって思ってたから、別にいいんやけど…
チーム音駒ってことは黒尾さんとデートってわけじゃないやろうし…そう言えば夜久さんとも、梟谷に内緒で出かけようって言ってたし…
『どうせ暇なんだろ?田舎もんの雌ガラスちゃんをシティボーイの俺たちがエスコートしてあげるよ』
「分かりました、じゃあ今から急いで準備しますね!」
そう返事した
ー翌日
東京駅に着くと探す間も無く、すぐに音駒メンバーを見つけた
だってロシア人の美男美女姉弟が死ぬほど目立ってるし…
私は今日のメンバー知らされてなかったけど…
そこに黒尾さん、研磨さん、夜久さん、海さんというメンバー
「おっ、歩〜!!」
私を見つけた夜久さんがブンブンと手を振る
「みなさーん!」
私も手を振りながら、みんなのところに駆け寄る
「久しぶり〜!ってまだ一ヶ月ぐらいですかね?」
と言うと黒尾さんが
「あんな試合の合間にチョコっと会ったぐらい、会ったうちに入んないから」
と答える
「でも、橘がわざわざ来てくれて嬉しかっただろ」
海さんが言う
「そうそう、あの時はわざわざレーヴォチカの応援にきてくれてありがとう」
アリサさんも両手を合わせて言う
レーヴォチカの応援ではないってのは言うたはずやけど
でもアリサさんいてくれてよかった
いくら何でもこのメンバーの中に私1人は絵的におかしいし