• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第8章 それぞれの春高まで


「歩!てめぇコラ!撮影すんな!」

二口さんがアザラシのままで、こちらに向かって怒声を飛ばしてくる

「ハハッ、ペナルティなんやから真面目にやってください」

「こんの…ドSガールが…」



「今、伊達工ブロックが戸惑ったように見えましたね」

「今まで影山がセッターの時は日向はシンクロ攻撃に加わってなかったからな」

武田先生とコーチが話す声が聞こえる



「伊達工のブロック、日向を警戒しだしてるね。歩、ドリンクちょうだい」

ツッキーが近づいてくる

「あ、はい」

「まぁ今まで喧しかったやつが急に黙ったみたいな感じだよね、急に歩が黙ったみたいな」

「なんやと!」

ツッキーは手渡したドリンクを受け取ると、その場でゴクゴクとドリンクを飲み干す

近い…

至近距離でドリンクを飲むツッキーを見上げると、喉仏が上下していてドキドキする

「はい」

空になったボトルを手渡される

私が空のボトルを受け取ると、ツッキーは眼鏡を外して私が首にかけているタオルで汗を拭きだす


眼鏡…外した…汗かいた顔で

こっち見んといてー!!!

ッツ!

直視出来ずに視線を逸らす

「じっ…自分のタオル使ってよ」

「いいじゃん…てかなんでそんな真っ赤なの?」

意地悪く笑いながら眼鏡をかけ直すツッキー

「暑いだけやし」

片手で顔をパタパタと仰ぐ仕草をする


「あっそ…てかなんで向こうのキャプテンとあんな仲いいわけ?」

「キャプテン?ああ、二口さん?別に仲良くないけど…口悪いお兄がいたらあんな感じなんちゃう?」

「へぇ…多分向こうはそんな風に思ってないと思うけど」

ボソッと呟いてツッキーは山口くんの方へ歩いて行った

今の…どういう意味?




次のセットが始まる

紛れるを上手く使いながら、超速攻がキレイに決まる


マイナステンポ!使わないとは言ってない!

そう言いたげな顔の翔陽と影山くん


「紛れるの後の超速攻は映えますね〜」

武田先生の言葉を聞いてハッとする

「あ、そっか!」

「なに?歩ちゃん?」

やっちゃんが首を傾げる

「前に烏養監督が言ってたやん!マイナステンポが勿体ないって」

「あ!そういえば」

やっちゃんの大声に反応したコーチが振り向く
/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp