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Forever [気象系BL]

第3章 櫻×大 1


-櫻井side-

躰が震えたと同時に
いつにも増して水分量の多い智くんの目から
涙が溢れる

智「ごめ...なさ....」

抱え上げられる程度のこんなわずかの振動で
達してしまうほど強力な薬を
あいつに飲まされたのかと思うと腸が煮えくり返る思いだった

智「しょ..く....ごめ....ごめっ..なさぃ...」

黙りこくった俺に智くんは
俺の気分を害したとでも思ったのか
涙声のまま俺に謝りだした

その声で我に返った俺は
智くんに安心させるように微笑みを浮かべて
抱え直し、歩いてベッドに下ろして
そっと布団をかけた

「水持ってくるからちょっと待っててね」

コップに水を注いだものを持っていき
智くんの背中を起こしてゆっくり水を飲ましていく

飲みきれなかった水が首筋を伝っていくのを見て
さっきまでの怒りとは全く種類の違った熱が躰を走っていく
その熱には気付かないフリをして...
あくまでも冷静に..

水を注いでる時に調べた感じだと
強力な媚薬ほど効力が切れるまで達さなければ辛いらしい

でもきっと自分で...
なんて俺がやるように言ったところで
さっきから遠慮してばかりの彼だ。
してはくれないだろうから....

...ごめん...と心のなかで謝りながら
背を向けて蹲り、胎児のように丸まって
横になる智くんを後ろから抱きしめるように
布団に潜り込んだ

智「しょ..くん...?」

躰をびくつかせながら俺が
何をするのかと様子を伺う眼差しを俺に向けた

「怖い...?」

首をふるふると横に振っている感じを見ると
局で発見してすぐの時よりかは
躰の強張りがいくらか緩んでいるのが分かる

「このままだと智くん辛いままらしいのね...? だから..もし怖くなったら言って?」

宥めるように伝えてから
智くんを後ろから抱きしめ直し
体温の高いその躰に手を這わせた
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