第3章 櫻×大 1
-櫻井side-
「智くんお願い..」
智「..翔くん...んふっ」
「なんで笑うの」
智「普通は俺がお願いする立場でしょ? なのに翔くんのが必死なんだもん」
ケラケラと暖かい笑みをこぼす智くんに
ホッとはするけど..
「笑い事じゃないんですけど!! 俺は真剣に!!」
智「んふふっ うん、ありがとう ...じゃあ、もう少しだけお邪魔しててもいい?」
「当たり前でしょ? いつまで経っても居てくれていいんだから」
智「んふっ ありがとね、翔くん」
半分本気で言った言葉を冗談だと思ったのか
面白そうにお礼を言う智くんを
なんとかこの家に留まらせることができたと一安心だ
「じゃあ..智くん早速で悪いんだけど..俺これから収録あって..」
智「あ、そっか...そうだよね..ねぇ...翔くんいないのに本当に居ていいの?」
「当たり前でしょ? いい加減怒るよ?」
智「うん..ごめん」
「あ、いやそうじゃなくて」
智「わかってる..翔くんがすごく心配してくれてるのはわかるよ」
「うん..できるだけ巻いて帰るからちゃんと寝てるんだよ?」
智「んふふ 翔くん..母ちゃんみたい」
「おい」
智「ごめんって んふふっ」
「ったくもう....まぁ..いいや...家の中のもの勝手に使って?」
智「うん ありがと」
「シャワーとかも使っていいからね? タオルとかも洗面所にあるから」
智「うん...ほんとありがとね..翔くん」
「ふふっ いーえ」
軽口を叩く余裕が出てきたらしい智くん
まだ安心はできないけど本当に良かった..
智「行ってらっしゃい翔くん」
「うん行ってきます智くん」
こんな新婚かのようなやり取りができるだなんて..
思わぬ産物だったなぁ...
何度寝てて良いと言っても
律儀に玄関まで送ると言い張る智くんに
ニヤける顔を抑えるのに必死だ...
翔マネ「おはようございます」
「おはよう...なに..?」
翔マネ「いや..なんか嬉しそうだなぁと思って」
「うるさいよ..」
翔マネ「ふふっ ずっと好いてましたもんね」
「好いてたって...古いでしょ今時」
翔マネ「嬉しそうなのは最もですけど...大野さんのケアお願いしますよ?」
「わかってるよ..絶対になんとかする そっちもお願いね」
翔マネ「もちろんですよ」
