第1章 ずっと昔から【沙明】
その日の会議も全員グノーシアは生き残った。
もう少し人間を消していくと勝てるかな。
今日は最後まで結論が出ず、誰も冷凍せずにそのまま部屋に戻ることになった。
逆に助かる。僕は絶対にやらなければならないことがあるんだ。
このループで二人の関係を修復できれば、今後のループでも二人は仲睦まじく二人で一緒にいるかもしれない。
昔のことを互いに話したりして。普段の二人を見ていても、結構お似合いだし……沙明がんばれ。多分いけるって。
と、頭の中でそんなことを考えながら廊下を歩いていると、お目当ての人物を見つけた。
「ツバサ!」
「あれ、ライト?どうかした?」
「うん、ちょっと話したいことがあって。誰にも聞かれたくないから……」
「じゃあ、私の部屋に来ていいよ」
「ありがとう、じゃあ行こうか」
ツバサの部屋まで歩く。
「そういえば、沙明と一緒じゃないなんて珍しいね」
そう。ツバサと沙明はどのループでも基本的に二人セットで絶対にいる。どちらかがかけているのはかなり珍しい。
あるとすれば、セツがやっちゃったときぐらい。
「うん、今日はちょっと別なんだ」
なにか理由があるのかな……
話しているうちにツバサの部屋に着いた。……沙明が嫉妬を僕に向けてこないといいけど。
「どうぞ」
「お邪魔します」
中は清潔感が保たれていた。
さすがはツバサ。彼女は綺麗好きで、何度か彼女の部屋にお邪魔させてもらった時も、部屋はいつも掃除が行き届いていて、綺麗だった。
「適当にかけていいよ」
「あ、じゃあ遠慮なく」
ツバサはベッドに、僕はベッドの傍にあったチェアに座った。
さあ、沙明のためにも、ループから抜け出すためにも、頑張らなくては。