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【R18】遥かな愛

第2章 往昔



きいちゃんにご飯をあげ終わって、私は鞄から教科書、筆箱とノートを出した。


自分の部屋で勉強をしようと思ったけど、寒いからリビングでする。


教科書の問題を解いていると、お父さんの視線に気づいた。


『な、に……?』


何だろう、と思って声を掛けた。自分の声が想像以上に震えていた。


「偉いね。帰ってきてすぐ勉強するの」

『…そろそろテストだから』

「私立入試もくるよね。私立は、暁月(あかつき)高校を受けるんだっけ」

『…うん』

「公立も受けるのかい?」


うん、とだけ言って会話を終わらせた。


勉強に集中できないし、お父さんと話したくない。


「勉強教えようか?」


その言葉に息を飲んだ。


嫌だ。私は率直にそう思った。


昨日の夜みたいなると思ったから。


酔ってないだろうけど、そうなるかもと想像してしまう。


『いや、大丈夫、です……』


パタンと教科書とノートを閉じた。


閉じた教科書とノートを持って、手にはシャーペンを握ったまま立ち上がった。


寒いけど、自分の部屋で勉強しよう。


私は逃げるように、部屋に向かおうとする。


けど、お父さんの手によって行くことを遮られた。


掴まれている手首が痛い。



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