第2章 往昔
お母さんが出ていった部屋は、ものすごく静かでシーンとしている。
「昨日の夜、ちゃんを1人にさせたことが悪かったみたいだ」
『……』
その言葉に私は何も返せなかった。
「八重さんも人のこと言えないじゃないか。
……まあ、仕方ないだろうけどね」
お母さんは家にあまり帰って来ないけど、ちゃんと仕事をしていると思う……。分からないから本当にそうなのか、あまり自信がない。
昨日の夜。で思い出したけど、あの事覚えてないのかな。
聞きたいけど、言い出せない。
気まずいから、勉強でもしよう。
あ、でもその前にきいちゃんにご飯をあげよう。
そう思いながら私は鞄をおろした。