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【R18】遥かな愛

第2章 往昔



保健室に行く前にトイレに行って確認したけど生理ではなかった。


生理じゃなくて安心した。


保健室で休んでいると痛みも和らいだから、1時間程度で教室に戻ることができた。


それからは最後の授業までしっかり授業を聞いた。






その日の放課後


友達の花灯(はなび)ちゃんから「ファミレスかコンビニに行こう」と誘われた。


でもテストが来るからその誘いを断った。お金も持ってきていないし……。


「そっかあー……じゃあ、今度行こう」

『うん、ごめんね』


私はその友達と一緒に帰る。
教室から出て階段をおりて靴箱に行くと、花灯ちゃんが「あ」と口にした。


「香子(かおこ)じゃん、どうしたの?そんな所で」


同じクラスの香子ちゃんが玄関で立っていた。


香子ちゃんは可愛い。それに頭も良い。藤ヶ崎くんとどっこいどっこいで、テストの順位を1位2位と争っている。


藤ヶ崎くんといとこだから、藤ヶ崎くんが女の子になったらこんな感じなのかな。と思っている。


「さてはオトコだなあ〜〜」


花灯ちゃんがニヤニヤとしながら香子ちゃんに聞いた。


「ま、まあ…」


顔を赤く染めながら答えた。香子ちゃんが1組の男子と付き合っている事を殆どの同じ3年生は知っている。


「ま、マジか…!!」
「いいなあ〜どこまでした!?」

「キスまで……昨日したの」


きゃあああと黄色い声が響く。


『(キスか……すごいなあ)』


何故か私は感心した。


花灯ちゃんはこういう恋愛の話が大好きで、すごく盛り上がっている。


「ど、どどどどんな感じで!?シチュエーションは!?」

「それは………秘密かな」


ふふっ、と香子ちゃんが微笑んだ。


感心したけど私も、した。好きな人と幸せなキスじゃないけど。


二人の会話を黙って聞く。


「羨ましいなあ、これからデートなの?」

「ううん、デートじゃないよ。本屋で問題集とか過去問を買うの。」

「へええ〜」


それって実質デートじゃん、と花灯ちゃんがニヤついて言っている。


そうしていると香子ちゃんの彼氏が来た。


「じゃあ、また明日」


手を振りながら香子ちゃんは彼氏の後を追った。


「またねー!」


花灯ちゃんは手を大きくぶんぶんと振りながら見送った。花灯ちゃんに対して私は小さく手を振る。


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