第2章 往昔
──トイレに行きたい。
けど、授業中にトイレに行くのは恥ずかしい。
授業はまだ始まったばかりで、休み時間までまだまだ時間がある。
とりあえず我慢して、終わったらトイレに行こう。
そう考えて授業に集中する。
『(痛い……)』
さっきまで感じていた感覚が痛みに変わった。
生理が始まったのかな、ものすごくお腹が痛い。
生理痛は重たいけど、我慢できる程度。
でもこの腹痛は全然耐えれない。
この前生理来たばっかりなのに……
少し不安になった。
そのまま頑張って耐えて授業を受けていると先生に当てられた。
「じゃあ、ここの文さん読んでください」
『えっ、えっと……』
痛くて授業に集中できていなかったから、急に当てられて焦った。
どこの文を読めばいいのかも分からなかった。
「さん、体調悪いの?顔色が良くないよ」
『……!』
先生は心配しながら聞いてきた。
言えなかったから先生が気づいてくれてホッと、少し安心した。
「保健室に行く?」
少し保健室に行くことを躊躇したけど私は先生の言葉に頷いて、保健室に行くことにした。
「1人で大丈夫?」
『はい…』
立ち上がって、私は教室のドアに向かった。
私は3組だから、1組と2組の横の廊下を歩くのはすごく恥ずかしかった。