第2章 往昔
朝起きると、お父さんはいなかった。
私が寝る前も帰って来ていない。
多分出かけてくるって言ってから、家に帰って来ていないのかもしれない。
やっぱり寝ても忘れはしなかった。
『(腰とお腹が痛い……)』
億劫な気持ちのまま、朝ごはんの準備をする。
──お母さん、帰って来ないかな……
そんなことを思いながら、冷蔵庫を開けた。
何も朝ごはんを作る材料がない。
ない時の代わりにパンを食べるているけど、パンもない。
──今日は朝ごはん抜きでいいや。
パタン、と冷蔵庫のドアを閉めた。
顔を洗って、歯磨きもしてそれから制服に着替えよう。
それを済ませて学校に行くことにした。
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授業の態度は悪くない方。だけど、今日は全然集中が出来ない。
友達にも何度か「ちゃん、大丈夫?」と聞かれた。
その度友達に笑顔で何もないよ、と答える。
子宮がムズムズというか何かする。
どうしたらいいのか分からなくてもじもじと、足を擦る。
『(授業中なのに……)』
昨日の夜のことを思い出してしまう。