第24章 悪夢の再来
『珠世さん…桜雪が鬼にされちまったんです…』
実弥は落ち着いたのか何故か眠っている桜雪を見ながら言った。
『鬼舞辻無惨に会ったのですか?』
『はい…逃げられてしまいましたが…』
『本部には私が連絡しておきます。桜雪さんをこちらへ…』
実弥は珠世に案内されて診察室に向かった。
『状態としてはあの頃と何も変わりません。しかし…一つだけ違う事があります。』
珠世は暗い顔をしながら静かに言った。
『何が違うんですか?』
『日光の下には居られません。先程…私が開発した日光に似た光を出せる装置で桜雪さんの体に当てました。肌は焼け爛れてしまいました…回復が早いようで直ぐに傷はなくなりました。』
『なんだよそれ…』
珠世の言葉に実弥はショックを受けているようだ。
『学生さんでしたよね…日光を克服しない限り…もう、日中に学校に行くことは叶わないでしょうね…』
珠世は悲しそうな顔で桜雪を見ながら言った。
『仕方ないね…ごめん…寝たフリしてた。全部聞いたよ。』
桜雪は起き上がって言った。
『仕方ないわけねェだろっ!!なんで冷静で居られんだよっ!!』
実弥は桜雪に怒鳴るように言った。
『仕方ないんだよっ!!だったらどうするのっ!!人間に戻る薬だって無惨が言うように少しだけ鬼の血が混じってるなら、薬を投与したら死ぬんだよ?』
『それでも、今はどうかわかんねェだろうがっ!!』
『いやだっ!!死にたくないっ!!やっと…死にたいって思ってたのに死にたくないって思えたんだっ!!死にたくないっ!!嫌だっ!!』
桜雪は叫ぶように言った。