第1章 小さな店
店を出て兵舎へ戻る。
「寒くなってきたな」
「時期が時期だからな。酔いが覚めていいんじゃねぇか?」
「はは、確かに」
冷たい風が頬を撫でる。
酒で少し火照った体にはちょうどいい。
そういえばは酒飲むんだな。
微かに見えたのはフルーツカクテルだった。
今度酒の好みを聞こう。
「さっきの彼女とはどんな関係なんだ?」
「ただの客と店主」
「それは辛いな」
「全くだ」
考えればそうなんだ。
俺はの事何も知らない。
好きな食べ物も、酒の種類、好きな場所、好きな男の好み______
「俺は何も知らない」
「それはこれから知っていけばいいじゃないか」
「もう少し器用になりてぇな」
「それがリヴァイのいいところなんじゃないか?」
「そういうもんか?」
次に会うのは明後日。
何とかしたい。