第1章 小さな店
「今日はどうします?」
「いつも通り」
「かしこまりました」
シガンシナの話をしていいのか…ダメなのか…
珍しく緊張している。
「シガンシナの話聞きますか?」
「え、あぁ…平気なのか?」
「リヴァイさんが知りたいならお話ししますよ」
「…頼む」
いたずらそうに微笑みながらは話出した。
「元々はシガンシナって話は聞きましたよね…。この店は親戚がやっていた店で、両親が昔憲兵だったのもあって、小さい頃からお世話になりながらお店の手伝いをしてました」
はカタッと小さな音をたてカップと菓子を机に置いた。
「超大型巨人襲来時、親戚は私と兄の前で巨人に食べられました。その時に〝生きて店を続けてくれ〟って言われました。最期まで笑顔でした。だから私はあの時と同じ店構え、内装、音楽、メニュー、味…昔からのお客様に助言をいただきながら今のお店ができています。リヴァイさんのように新しいお客様も沢山増えて嬉しいです」
柔らかくは微笑んで、親戚の写真を見せてくれた。
その写真には親戚2人、、兄、両親が写っていた。
「両親は?」
「内地にいたので無事です。今は2人とも駐屯兵団に所属しています」
「何故?」
「憲兵の腐った現状に呆れたそうです。超大型巨人襲来の時、憲兵は内地で安全だった為に巨人の恐ろしさを知らない。ただ内地で遊び呆けているだけ…少しでも住民が安心して暮らせるように、と駐屯兵団では上層部としてしっかり勤めています」
「尊敬するな」
「今度伝えておきますね。あ…喋りすぎてごめんなさい」
「いや、いい。の事が知れてよかった」
「ならよかったです」
また柔らかく微笑んでから他の客が使った食器を片付け始めた。